さすが、西田コーチ!
最高のくじを引いた。
県大会1回戦の対戦相手は「新座片山」だった。
これで、もう余計な事は考えずに済む。
監督、コーチ、選手、保護者、在団生、OB、支援者皆そこに集中すれば
いいだけだった。
抽選会の後の練習は、更に空気が変り、高い意識の中で行われていた事を記憶している。
「想いは実現する」 強く、心を注ぎ込んだ想いは必ず実現出来る。
但し、良い事も悪い事も。
いつしか、呪文の様にこの言葉をつぶやいた。
子供達にも伝え、負けると失敗するイメージはしない様にしようと、選手、保護者
上げ、上げムードを作ったと思う。
上げ、上げムードの中、後は神頼みだけとなった。
日本一の神様の所へ行こう。
高橋兄弟は日程を調整し始めた、周りは冗談かと思って失笑やクレイジーの声が
聞こえてきた。が、この失笑ムードに歯止めをかける人物が「私も行く」と声を上げた。
「ダンディー黒田」ことケイゴの父ちゃんだった。
「出来る事はしてあげたい。」
社内では管理職、一見クールに見えるこの人 実は凄く熱い男だった。
「えっ黒田さんまで・・・」
これで、一気に本気度がました。(高橋兄弟は最初から本気だったが。)
いつもの様にオミさんは一歩引いて、行かなかった。
こうして、23期お伊勢参りが決行される事となった。
大安を選び平日にも係わらず仕事を調整し、仕事が終わってから高橋兄弟は深夜
12時頃新宿発の夜行バスで名古屋にむかった。
出発前に景気付けに寄った居酒屋では「南」の付く、縁起の良い泡盛を発見して
乾杯をした。
ケイゴの父ちゃんは横浜での仕事が終わった後、新幹線で前泊。
よく早朝、名古屋駅で合流する作戦だった。
続く